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海を眺めながらのんびり楽しむ翻訳ライフ●青山万里子
2013/09/06
海を眺めながらのんびり楽しむ翻訳ライフ
青山万里子(あおやままりこ)

技術系翻訳者(英日がメイン)。分野は主にIT、工業、医療機器。富山市出身、神戸市在住。大学の英文科を卒業後、予備校、学習塾、英会話スクール、企業研修などで約20年間英語指導に携わる。翻訳スクールで1年間学んだ後、2004年にフリーランス翻訳者に。今年の5月に海の見えるマンションに引っ越し、現在は海を眺めながらお仕事する日々。
■ブログ:「女は翻訳でよみがえる」
http://nekoblo285.blog99.fc2.com/
■Twitter:@mariko_rouge(猫先生)
フリーランスの翻訳者になるまで
翻訳の仕事を開始してから今年でちょうど10年目になります。翻訳の仕事をする前は、ずっと英語講師の仕事をしていました。最初は中学校の教員から始まり、その後予備校や学習塾、英会話スクール、企業研修などで英語を教えてきました。特に教えることが好きだったわけではないのですが、とにかく中学校に入学してからずっと英語の勉強が好きだったので、英語を使った仕事をしようと思ったら教える仕事しか思いつかなかったのです。
私が翻訳という仕事に興味をもちはじめた最初のきっかけというのは、実は友人にやってもらった占いでした。1990年代半ばのことです。その友人の水晶占いによると、私の開運のキーワードは学問であり、翻訳の勉強をするといいよ!というアドバイスをもらいました。これがきっかけで私は翻訳というものに興味をもつようになりました。当時は地域的な事情もあり、翻訳の勉強⇒翻訳の仕事という筋書きをなかなか具体化できませんでしたが、英語講師の仕事を続けながらずっと興味だけはもっていました。
翻訳の勉強⇒翻訳の仕事という筋書きが動き出したのは2003年の春のことでした。教える仕事はストレスが多いし、元々教えるよりも自分が勉強するほうが好きだったし、ちょうどうまい具合に(笑)講師の仕事が減り始めたので、翻訳をやってみようと思いました。幸いにもこの頃は大阪の翻訳スクールに通学できるところに住んでいたので、そのスクールで1年間学び、2004年春に翻訳の仕事を開始しました。フリーランス翻訳者としての私の生活は、このようにして始まりました。
作業環境について少しお話しします。遅ればせながら去年からデュアルモニタを使用しています。中島みゆきさんが映っている左の24インチ横置きモニタでTradosやWordなどを開き、右の19インチ縦置きモニタで辞書ブラウザやPDF原稿などを開いて作業しています。パソコンは私が自分で組み立てたいわゆる「自作」です。はじめて自作したのは2008年2月。仕事をしていると、もう少しメモリがほしいとかもう少し高性能のCPUがほしいとか思うことがあり、自分でパーツを選んで作ってみたくなったのです。今使っているのは去年の夏に組み立てた2台目です。ちょうど秋葉原で翻訳者の集まり(SNSのオフ会)があったので、アキバのお店でパーツを買い揃えました。
海が見えるマンションへ
翻訳の仕事はパソコンとインターネットの環境があればどこでもできるので、住む場所を自由に選ぶことができます。私は以前から海の近くに住んで、毎日海が眺められたら素敵だなあと思っていましたが、今年の5月末、窓から海が見えるマンションに引っ越すことができ、その夢がかないました!
これがマンションの窓から見える景色です。毎日この景色を眺めながら仕事をしています。それまで住んでたところよりも市の中心部から遠くなり、その分不便になったとも言えますが、周りの環境ものんびりしていて、以前よりもさらに快適に仕事ができるようになりました。
仕事部屋として使っている部屋は元々和室だったのですが、海を眺めながら仕事をしたかったので洋室に変更してもらいました。隣のリビングとの仕切りドアを取り払って開放的な感じで使っています。
仕事中のBGMはラジオで、大阪のラジオ局FM COCOLOが気に入っています。最初はCDを自分で選んでかけていたのですが、そのうちCDを選ぶのが面倒になり、ラジオに切り替えました。DJの楽しい話も聴けて、いい気分転換になります。3時になると、デスクの後ろのスペースでラジオ体操をします。
1日のスケジュールを簡単にお話しします。朝は8時に起き、夜は11時に寝ます。朝食を食べ終わったらすぐにパソコンの電源を入れ、お気に入りのブログや掲示板、Facebook、Twitterなどを巡回します。巡回が一通り終わったら、散歩に出かけるか近所のスポーツクラブに行きます。こうしているうちに午前中が終わってしまうので、仕事を始めるのは午後になります。実際に仕事をしている時間帯はだいたい午後1時~11時ですが、納期に余裕があるときは9時までに仕事を終えて、サスペンスドラマを見るのを楽しみにしています。
スポーツは本当は好きではないのですが、家で1日中パソコンの画面を見ているような生活を送っているので、美容と健康のためにできるだけ体を動かすことにしています。以前はヨガ教室に週1回通っていましたが、今のマンションに引っ越してからはその教室に通えなくなってしまいました。どこかにヨガを習えるところはないものかと思いながら海辺を散歩していたら、あらまあ! そこのホテルの中にスポーツクラブがあるではありませんか!しかも、家から歩いて10分のところに!
というわけで、私はそのスポーツクラブの会員になりました。平日の昼間ならいつでも利用できるので、都合のよいときに好きなプログラムを選んで参加しています。一口にヨガと言っても、ホットヨガやパワーヨガなど、いろんな種類がありますが、私が特に気に入っているのはチャペルヨガです。
結婚式とかに使われるホテルのチャペルでヨガをやるのですが、窓から見える海も美しく、気持ちよくヨガを楽しむことができます。ヨガのほかには、ストックのようなものをもって歩くポールウォーキングも好きです。ボルダリングもいずれやってみたいと思っています。
これからのこと
フリーランスの翻訳者になって10年目。まだ引退することは考えていませんが、それなりの年齢(笑)ということもあり、ここ2、3年はあまり無理をしないようにと考えるようになりました。最初の頃は年中無休で仕事を引き受けていましたが、最近はあらかじめ翻訳会社さんに連絡して、数日間とか数週間とかお休みをいただいて旅行したりしています。
また、最初の頃は少しでも仕事がほしくて英日案件と日英案件の両方を引き受けていましたが、最近は仕事の量を減らしてもう少しのんびりしたいと思うようになったので、今後は英日をメインに(できれば英日のみ)お引き受けしようと考えています。翻訳の仕事はやっていて本当におもしろいので、これからもマイペースで楽しく続けていきたいと思っています。
コラムオーナー
高橋 聡
(たかはし あきら)
(たかはし あきら)
CG 以前の特撮と帽子をこよなく愛する実務翻訳者。翻訳学校講師。学習塾講師と雑多翻訳の二足のわらじ生活を約10年、ローカライズ系翻訳会社の社内翻訳者生 活を約 8年経たのち、2007年にフリーランスに。現在はIT・テクニカル文書全般の翻訳を手がけつつ、翻訳学校や各種SNSの翻訳者コミュニティに出没。
■ブログ「禿頭帽子屋の独語妄言」
http://baldhatter.txt-nifty.com/trados/
MISSION STATEMENT
意外と知られていないフリーランス翻訳者の「リアルなライフスタイル」。仕事のしかたや生活時間帯は言うまでもなく、趣味やストレス解消法にいたるまで千差万別です。そんなフリーランス翻訳者の「生の姿」を語ってもらったらおもしろいに違いない ――そう思って始めたこのコーナーも開始からちょうど 1 年。6 人の翻訳者の方にそれぞれの「フリースタイル、翻訳ライフ」を語っていただきました。今年度も、どんなフリーランス生活が登場するか、引き続きご期待ください。